不動産の売却で忘れてはならないのが、納税の義務です。
仮に売却益が発生したら、確定申告が必要となります。
今回は、不動産の売却における確定申告についてご説明します。
不動産を売却した後の確定申告
確定申告とは、1年間のすべての所得を合計し、申告書類を税務署に提出して納付する手続きのこと。
一般的に、個人事業主や副業を持つサラリーマンが利用する納税方法です。
不動産の売却で収益があった場合は、確定申告が必要となります。
確定申告が必要とされる場合
不動産売却で申告を必要とするかどうかの判断基準は、売却益の有無です。
つまり、売却によって黒字とならなければ確定申告の必要はありません。
ただし、損失が出ても申告によって税金の還付が受けられるなど、メリットがあります。節税対策を考えるなら、売却益の有無に関係なく、確定申告をしたほうがお得です。
譲渡所得がある場合の確定申告
不動産の売却によって生まれた所得を譲渡所得と呼び、それに対して課される税が譲渡所得税です。
譲渡所得の確定申告では、以下の書類を準備してください。
税務署から取り寄せる書類 | 自分で用意する書類 |
確定申告B様式 | 不動産売却時の売買契約書 |
分離課税用の確定申告書 | 不動産購入時の売買契約書 |
譲渡所得の内訳書 | 印紙代や仲介手数料の領収書 |
確定申告は、納付期限までに済ませなければなりません。
仮に確定申告を怠った、あるいは遅れたなどの事態となれば、
延滞税がかかってしまうので、期間内にすべての手続きを終わらせましょう。
損失が出た場合の確定申告
居住用の不動産を売却して、損益を出しても、一定の要件を満たせば納税額を抑えることが可能です。
その要件とは、「不動産の所有期間が5年以上」で「売却契約締結前日までの段階で、住宅ローンの契約が10年以上残っている」です。
この場合、一定額の控除が受けられる特例を利用できます。
その際は、次の申請書類を用意してください。
● 確定申告書
● 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
● 居住用の譲渡損失の損益通算および繰り越し控除の対象となる金額の計算書
確定申告は自分でする?税理士に頼む?
確定申告は専門の税知識を必要とするため、税理士に依頼したほうが手続き完了もスムーズです。
しかし、専門家に任せず、自分で行うという方もいます。
自分で行う場合、間違いや記入漏れ、書類の不備に気を付けなければなりません。
公的な書類のため、一点の誤りでもあれば再提出・出直しを迫られます。時
間もなく、手間もかけたくないときは、税理士に一任するのが良いでしょう。
税理士に支払う代行料は決して安い金額とは言えないため、信頼できる税理士を見つけて頼みたいところです。