売却前のリフォームは不要!
中古マンションを売却する時のご相談で、リフォームしてから売ったほうがいいですか?そのほうが高く売れますよね。というご質問をお客様から頂きます。
結論から言うと、売却前にリフォームまでする必要は無いと思います。
だいぶ前のお話ですが、年配のご夫婦から築20年ほどの中古マンションの売却のご依頼をいただきました。
娘が部屋をリフォームしたので、見に来てくれ。綺麗になってるから高く売れると思うよ。というので、見にゆくと、確かに水回りを中心にクロスの張替え、カーペットの張替えなどのリフォームがされています。
400万円以上かけたので、相場より400万円以上は高くして販売してくれとのこと。
娘さんの趣味を活かした内装で、リフォームしたところとリフォームしてないところがアンバランスなやや中途半端なリフォームでしたが、ご夫婦にも、折角リフォームを企画して手配した娘さんにも悪いので、相場より450万円上乗せして販売を始めました。
結果、お客様の反応は悪く、お客様がつかないまま専任媒介契約期間の3ヶ月を過ぎてしまいました。一般媒介契約に切り替わり、他の不動産業者の媒介で大幅に値段を下げて成約した。という苦い経験をしたことがあります。
中古マンションを購入するお客様は、所在地、専有面積、築年数、間取りのほか、価格をもっとも重視して選びます。同じマンションの他のお部屋が売りに出ている場合や同じぐらいの築年数のマンションの同じ間取りでは、いくらリフォームしてあるとしても、どうしても価格が高いと売れにくくなってしまいます。
売主の趣味でリフォームしても、余計なお世話になってしまう?
また、中古マンションの場合、購入後リフォームしようと思っている人の割合が約4割と言われています。
その方たちにとっては、自分の好みにリフォームしたいのに、売主のほうでリフォームしてあると、好みに合わない。売主の趣味でリフォームしても、それこそ余計なお世話になってしまいます。
その分安く買いたい。買ってから好きなようにリフォームしたいというのが本音です。また、大規模な改修工事を行うリノベーションまで考えているお客様には、そもそも選択肢からも外れてしまいます。
最近は、大幅なリフォームをして売りに出している買取り再販の中古マンションもよく見かけますが、彼らは、プロの不動産業者であり、もともと物件の仕入れ値も安く、どのようにリフォームすれば売れるかのノウハウがあって売っています。
リフォーム工事の費用も継続的に大量に発注するため、一般の方がリフォーム会社に発注する場合の6~7割ぐらいの安い価格で工事することができます。
一般の人が直接リフォーム会社に依頼してリフォームしてもリフォーム代を回収出来る可能性は少なく、リフォーム代を割り込む可能性のほうが大きくなってしまいます。
小修繕やハウスクリーニングのほうが効果的
売却前のリフォームは不要と申し上げましたが、お客様が内見したときに印象が良いほうが成約になりやすいのは確かなので、小修繕やハウスクリーニングは効果的かと思います。
比較的安価で出来て見栄えのする、畳の取替え、ふすま、障子の張替え、汚れの酷い壁のクロスの張替え、穴が開いていたり、破損している箇所の補修などはしておいても良いのではと思われます。
また、ハウスクリーニングは3LDKの部屋で6万円から8万円ほどですることが出来ます。キッチン、浴室、洗面、トイレなど水回りのお掃除はハウスクリーニング業者でなければ出来ない仕上がりが期待できます。
小修繕やハウスクリーニングをして、賃貸のお部屋を退去した際に行う現状回復ぐらいのイメージで仕上げる。総額20万円から30万円の範囲で納める。という感じだと思います。
このぐらいであれば、お部屋のイメージアップが効果的に出来るので、投資を上回る価格で売れる可能性が十分期待出来ます。
売却を依頼した不動産業者の担当者とよく相談しながらやるのが良いと思います。不動産業者は、つきあいのあるリフォーム業者やハウスクリーニング業者があるので、見積もりを取ってもらいましょう。よく検討して、売却価格のアップが期待できたり、成約の見込みが上がるようであれば実行するのが良いと思います。