さて、売ることは売るが、
「不動産屋さんに高く買い取ってもらえば手っ取り早くていいな。」という方がいます。
不動産屋さんの買い取りは、確かに良い面もあります。
- 売却に時間がかからず、すぐに現金が手に入る。
- 買い手が何度も見に来る煩わしさが無い。
- 仲介手数料がいらない。
- 取り壊し予定の建物内であれば、建物内の残存物の片付けをしてもらえる場合がある。
- 境界立ち会いをしないで、引き渡しが出来る場合がある。
また、物件によっては買い取りしてもらったほうが良い物件というものもあります。
比較的大きな、造成をして分譲しなくてはならないような、土地(田、畑、遊休地)はそのままでは売りにくいので、開発分譲を得意とし、ノウハウのある業者に買い取ってもらって下さい。
また、分割することにより建売用地などとして活かせる土地などもやはり買い取ってもらった方が良いと思います。
優良な業者さんも沢山あります。
中古住宅でも、早く確実に現金にしたい。売却にともなう煩わしいこと(人が見に来る。屋内の荷物の片付け、処分が大変。境界立ち会いが面倒。)を免れたいという方には、買い取りもひとつの選択肢です。
リフォームをして付加価値を高めて、再販売する優良な業者さんもあります。
さて、問題は不動産業者があなたの不動産を高く買取るでしょうか?
不動産業者は、商売でやっている以上、買い取った後、利益を乗せて売らなければなりません。
資金を調達し、何よりも売れなかった場合のリスクを自分で負わなければなりません。土地価格、不動産価格が上昇している時ならいざ知らず、価格が下がり気味の時代、確実に早く売る見込みが必要です。
かつ、よほど利益が見込めるようでなければ買い取りは出来ません。
普通に仲介で売りに出す金額の7割程度で、買い取りしてもらえればいい方だと思います。
一方、不動産を仲介(媒介)で売る場合を見てみます。
売買金額は、全額売主の手元に入りますが、そこから仲介手数料などの諸経費を、支払うことになります。
仮に2,000万円で売れた場合、
仲介(媒介)手数料72万6千円(法定手数料・消費税込)、契約書に貼付する収入印紙代1万円、抵当権がついていれば抹消登記費用4万円程度、住所変更など名義人表示変更登記が必要であれば1万円程度)を差し引いても手取りは、1,920万円余になります。(不動産業者買い取りの場合は1,400万円~1,500万円程度)
そのほか、通常売主側の費用とされているもので、建物解体費用、境界確定・測量費用、未登記建物の表示登記費用などがかかる場合もありますが、買い取りよりも手元に残る金額は大幅に多くなります。
注)譲渡益が出た場合、譲渡所得税、住民税を納めなくてはなりませんが、買い取りの場合でも事情は同じです。